数多い広告の中で成果を出した広告を探すのは難しいことです。ユーザーは1日数十件の広告を目にし、全ての広告チャンネルは自分のチャンネルで行った広告のおかげで成果が出たと主張するからです。複雑なデジタル環境で、最も成果に実質的に寄与した広告を判別するためにはアトリビューション分析を行う必要があります。
エアブリッジは規則と様々なデータに基づいて、成果を出した広告はどれかを導き出します。寄与した広告を決める規則がアトリビューションモデルです。エアブリッジのレポートは、エアブリッジアトリビューションモデルを使って広告成果を測定します。
エアブリッジのアトリビューションモデルはラストタッチアトリビューション(LTA)を基盤とします。LTAモデルはコンバージョンが発生する前に一番最後に発生したタッチポイントに全ての成果が付くモデルです。この時、広告成果が付くタッチポイントをウイニングタッチポイント(Winning Touchpoint)と言います。
しかし、最終的に発生したタッチポイントに常に広告成果が付くわけではありません。優先順位によって広告成果が付くタッチポイントが変わります。
エアブリッジのアトリビューションモデルで広告成果を測定するレポートは下記の通りです。
この他に一部のレポートはレポートの目的により適したアトリビューションモデルを使用しています。
エアブリッジは下記のステップにおいてモバイルアプリ環境で発生した成果に寄与した広告を決定します。アトリビューションツール(MMP)または、広告チャンネルごとに決められた規則が異なるのでアトリビューション結果も異なる場合があります。エアブリッジのアトリビューションモデルは成果が発生した環境によっても異なって適用されます。
ウェブアトリビューションのルール
Airbridgeのウェブアトリビューションのルールは、モバイルアプリのルールと以下の点で異なります。
ウェブイベントのためのルックバックウィンドウは設定できません。
ウェブイベントのアトリビューションウィンドウはデフォルトで3日間(72時間)に設定されています。変更をご希望の場合は、この記事を参照ください。
トラッキングリンク経由で収集されたタッチポイントは、Airbridge Web SDKのUTMパラメータパーシング(Parsing)機能により収集されたタッチポイントよりも優先されます。
ユーザーは広告を見た後に、アプリインストール、サービス登録、製品購入など様々な行動を行います。エアブリッジは広告により発生した意味のあるユーザー行動の一部をターゲットイベント(Target Event)として定義します。エアブリッジのアトリビューションモデルはターゲットイベントを基準に広告成果を集計します。
ターゲットイベントが発生すると、エアブリッジSDKはエアブリッジサーバーにデータを送信し、アトリビューションを始めます。ターゲットイベント以外のコンバージョンは後続のイベント(Subsequent Event)です。ターゲットイベントと後続のイベントに関する詳しい説明は下記をご参考ください。
ターゲットイベントにはアプリインストール、ディープリンク実行、ディープリンクページビューがあります。
アプリのインストール(App Install):アプリのインストールは、ソフトウェアをデバイスにダウンロードするコンバージョンを意味します。エアブリッジはアプリをインストールしたあと、最初にアプリを実行した時にアプリのインストールを集計します。
ディープリンク実行(Deeplink Open):ディープリンク実行は、ディープリンクをクリックしてアプリを実行したコンバージョンを意味します。
ディープリンクページビュー(Deeplink Pageview):ディープリンクページビューは、アプリでディープリンクをクリックし、同じアプリの別のページに移動するコンバージョンを意味します。
エアブリッジのアトリビューションモデルは、ターゲットイベントを中心に広告成果を集計します。ターゲットイベントが発生すると、エアブリッジのアトリビューションモデルは該当のターゲットイベントを発生させたウイニングタッチポイントを測定します。ウイニングタッチポイントは該当のターゲットイベントとその後のアトリビューション期間中に発生した後続のイベントの成果が付きます。
Deeplink Pageview集計
Deeplink Pageviewを集計するためにはアプリでトラッキングリンクを使うためのエアブリッジSDK設定を行う必要があります。下記のエアブリッジガイドをご参考ください。
Deeplink Openの直後にDeeplink Pageviewが頻繁に発生する場合は、Deeplink Open成果に影響を与える可能性があります。マーケティング目標を十分検討してから、Deeplink Pageviewを集計してください。
後続のイベントはターゲットイベントの後に発生したコンバージョンです。アプリの実行、購入、購読などは後続のイベントとして集計されます。 但し、アトリビューション期間中に発生していないコンバージョンは後続のイベントして集計されません。後続のイベントの成果はターゲットイベントの成果が付くウイニングタッチポイントに付きます。
例えば、チャンネルAのタッチポイントにターゲットイベントの成果が付いた場合、アトリビューション期間中に発生した後続イベントの成果も全てチャンネルAとして集計されます。
ターゲットイベントが発生すると、エアブリッジSDKはエアブリッジサーバーに送信するデータを収集します。収集したデータでユーザージャーニー(User Journey)を完成したら、エアブリッジのアトリビューションモデルが適用されます。
エアブリッジはいくつかの識別子を活用して同じユーザーを判別します。ユーザージャーニーは識別された個々のユーザーが発生させたタッチポイント(Touchpoint)とコンバージョン(Conversion)を時間順に整列させたものです。
ユーザージャーニー、タッチポイント、コンバージョンに関する詳しい説明は下記をご参考ください。エアブリッジが収集するデータに関する詳しい内容はこのガイドをご参考ください。
ユーザージャーニーとは、ユーザーと広告のインタラクションと、それに伴うビジネス上の成果を意味します。広告とのインタラクションの個々をタッチポイント、ビジネス上の成果をコンバージョンと呼びます。
タッチポイントとは、ユーザーと広告の間で生じるすべてのインタラクションを意味します。代表的なタッチポイントの例としては、インプレッションとクリックを挙げることができます。
モバイルマーケティングのエコシステムの各プレーヤーは、タッチポイントの定義を独自に設定しています。たとえば、ある広告チャネルは広告が10秒以上再生された場合のみインプレッションとしてカウントしますが、別のチャネルでは3秒の再生でカウントする場合もあります。
コンバージョンとは、広告によってもたらされる最終的なビジネス上の成果を意味します。多くの場合、コンバージョンはアプリやウェブサイト内で発生します。コンバージョンの一般的な例としては、アプリのインストール、購入、サブスクリプションが挙げられます。
Airbridgeでは、コンバージョンを「ターゲットイベント」と「後続イベント」に分類しています。「ターゲットイベント」には、アプリのインストール、Deeplink Open、Deeplink Pageviewが含まれます。「後続イベント」とは、「ターゲットイベント」以外でのイベントで、「ターゲットイベント」の後に定義された期間内に発生したコンバージョンを意味します。
収集されたタッチポイントデータは、重要度により分析有無が決められます。広告詐欺(Fraud)に判別された広告、もしくはタッチポイントは分析対象から除外されます。
ユーザーが広告と数回相互作用した場合は、エアブリッジは優先順位が最も高いタッチポイントの中からウイニングタッチポイントを決定します。優先順位が低いタッチポイントはウイニングタッチポイントを決める過程で外されます。また、ユーザ識別方法によっても分析有無が決定されます。エアブリッジが活用するユーザ識別方法に関する詳しい内容はこのガイドをご参考ください。
モバイルアプリのアトリビューションの優先順位は下記の通りです。
タッチポイントを収集した環境によってアトリビューションの優先順位が決定されます。1位の方がより高い優先順位です。
トラッキングリンクまたはSAN(Self-Attributing Network)で収集されたタッチポイント
UTMパーシング(Parsing)で収集されたタッチポイント
オーガニックリファラーアトリビューションで収集されたタッチポイント
エアブリッジのウェブSDKで収集されたタッチポイント
タッチポイントを発生さてたユーザーの相互作用によって優先順位が決められます。1位の方がより高い優先順位です。
クリック
インプレッション(Impression)
例えば、ユーザーが広告をクリックしたタッチポイントは、ユーザーが広告をインプレッションしたタッチポイントより優先順位が高いです。従って、クリックとインプレッションがルックバック期間中に発生すると、エアブリッジのアトリビューションモデルはクリックのみカウントします。
広告効果は時間の経過とともに低下する傾向があります。例えば、広告を執行して1年後に発生したコンバージョンが、その広告が原因で発生したとは言いかねます。 そのため、タッチポイントとコンバージョン発生時点がターゲットイベント発生時点にある程度近い方が、広告の成果を正確に測定することができます。
エアブリッジは、タッチポイントとコンバージョンがターゲットイベントとどれだけ近いかをウィンドウとして設定します。エアブリッジは、ターゲットイベント以前の分析期間をルックバックウィンドウ(Lookback Window)、ターゲットイベント以降の分析期間をアトリビューションウィンドウ(Attribution Window)と定義します。この期間に含まれないタッチポイントと遷移は、エアブリッジアトリビューションモデルの分析対象から除外されます。
エアブリッジダッシュボードでルックバック期間とアトリビューション期間を設定することができます。ルックバック期間とアトリビューション期間に関する詳しい説明は下記をご参考ください。
ルックバックウィンドウは、タッチポイントがターゲットイベントと関連性があると判断する期間です。ターゲットイベントが発生した時点から設定した過去の時点までの期間を指します。この期間に含まれないタッチポイントは、エアブリッジアトリビューションモデルの分析対象から除外されます。 したがって、ルックバックウィンドウに含まれないタッチポイントは成果が認められません。
例えば、ルックバックウィンドウを3日(72時間)に設定しました。エアブリッジアトリビューションモデルは、1月4日午後2時に発生したアプリのインストールに対して、1月1日午後2時から1月4日午後2時まで発生したタッチポイントのみを分析します。
エアブリッジでは、ユーザー識別方法、タッチポイントの種類、チャンネルによってルックバックウィンドウを設定することができます。ルックバックウィンドウの設定に関する詳細は、このガイドをご参照ください。
アトリビューション期間はコンバージョンがタッチポイント及びターゲットイベントと関係のあると判断した期間です。ターゲットイベントが発生した時点から設定された未来の時点までの期間を表します。該当期間に含まれていないコンバージョンはエアブリッジのアトリビューションモデルの分析対象から除外されます。従ってアトリビューション期間に含まれていないコンバージョンは広告成果として集計されません。
例えばアトリビューション期間を3日(72時間)に設定しました。エアブリッジのアトリビューションモデルは1月4日14時に発生したアプリのインストールに対して1月1日14時から1月4日14時まで発生したコンバージョン-のみ集計します。
エアブリッジでは、アトリビューションウィンドウをターゲットイベントの種類とチャンネルによってルックバックウィンドウを設定することができます。アトリビューションウィンドウの設定に関する詳細は、このガイドをご参照ください。
エアブリッジアトリビューションモデルは、ターゲットイベントを基準に完了したユーザージャーニーに沿ってデータを収集し、以下のルールに従ってウィニングタッチポイントを決定します。エアブリッジアトリビューションモデルはLTAモデルに基づいています。
ターゲットイベントが発生すると、エアブリッジSDKはルックバックウィンドウ内のタッチポイントデータとアトリビューションウィンドウ内のコンバージョンデータを収集します。
ウィニングタッチポイントは、優先順位が高いタッチポイントのうち、ターゲットイベントに最も近いタッチポイントです。そのタッチポイントがアトリビューションウィンドウ内の後続イベントに対する成果まですべて取得します。
ターゲットイベントのうち、ディープリンクの実行とディープリンクのページビューの優先順位はアプリインストールよりも高くなります。 例えば、アプリインストールのアトリビューションウィンドウ中にディープリンクの実行が発生した場合、ディープリンクの実行のアトリビューションウィンドウが適用されます。
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